どうもみなさんこんにちは。前回の投稿から6日が経ちました。なんとかペースは保てているでしょうか。
さて、今回は「Mirror」という曲について考察したいと思います。
この曲はマイナーであまりご存じの方も多くはないと思いますが、含蓄に富んだ曲なのでぜひ最後まで読んでみてください。
では1番から。
「いつの間にやり場もなく こんな想いを抱いてた
ありふれて使い古した 言葉を並べて
Oh Love Love Love Love Love… Woo…」
これで1番は終了です。驚くべき短さですね。
Loveというありふれた言葉で表される感情を伝える術もなく抱いていた。いつしか好きになっていたというのは恋愛の常套句ともいえるものですが、そのことを指しているのでしょうか。
では2番です。
「窓際に腰を下ろして フォークギター鳴らしては
風立ちぬ夕暮れの空に向け歌う
そりゃロックでもなくポップなんてもんでもなく
ましてヒットの兆しもない
ただあなたへと想いを走らせた 単純明快なラブソング」
フォークギターというのと、夕暮れという言葉で哀愁の漂う情景がしっかりとイメージできますね。『なんてもんでもなく』という表現は、ロックやポップなどというジャンルに分類されるような格式のあるものでないからこそいいんだといった強気の姿勢が見て取れます。また、「好き」や「愛してる」といったありふれた言葉を使ったラブソングは多いものの、ストレートな想いだけを歌詞に綴った曲はなかなかないのかもしれませんね。ストレートな言葉で包まれた『単純明快なラブソング』、是非聞いてみたいものです。
では続きです。
「歩道に沿って 幸せそうに歩き出した恋人たちを
羨むようにたたえるように そっと君を待っている」
この部分からは、主人公がかなり満たされている様子がうかがえます。というのも、仲むつまじく歩く恋人同士を『たたえる』ことは、自分に恋人がおらず、いても関係がうまくいっていなければ難しいのではないでしょうか。少なからず嫉妬心のようなものは持ってしまうと思います。主人公は羨んでもいるようですが、それは成功者が他の成功者を羨むような、余裕のある羨望であることは間違いないでしょう。
後半はまとめて見てみることにします。
「人前で泣いたことのない そんな強気なあなたでも
絶望の淵に立って 迷う日もあるでしょう
夢に架かる虹の橋 希望の光の矢 愛を包むオーロラのカーテン
その全てが嘘っぱちに見えて 自分を見失いそうになるときは
あなたが誰で何のために生きてるか その謎が早く解けるように
鏡となり傍に立ちあなたを照らし続けよう
そう思う今日この頃です」
悩んだり迷ったりしたときは、誰かがそばにいてくれるだけで心持ちががらっと変わりますよね。ここで挙げられている『あなたが誰で何のために生きてるか』という問いは非常に難しい悩みです。ひょっとすると一生涯かけても解決しないのかもしれない。鏡のようになって自分を支えてくれる、そんな人がいてほしいものです。しかも、普通の鏡のようにただそこに写った自分という像を反射するだけの存在ではなく、自分を忠実に写し出しつつも苦しみや迷いは吸収してくれる、優しい「鏡」であってほしいです。
以上、今回は「Mirror」という曲を考えてきました。
あなたが迷ったり悩んだりしたとき、自分が鏡のようにあなたを写し出してあげられる存在になりたい。この曲の歌詞を一言で表すならこのようなまとめになるかと思います。
これに加えて、私はもう少し考えたい。なぜタイトルを「鏡」でなく「Mirror」にしたのかを。単純に響きが良いからとか、字面の問題なのかもしれません。しかし私は、相手にとってより身近な存在になりたい、という意図が込められているのではないかと思います。一般的に「鏡」と言われて想像するのは、姿見や洗面台のものではありませんか?一方「Mirror」(=ミラー)と言われて想像するのは、手鏡などではないでしょうか。この両者の違いは、大きさにあると思います。大きいと必然的にスペースをとるので固定するしかない。一方小さいものは持ち運んだりできる。この曲で想定されているのは小さいもの(=ミラー)ではないでしょうか。どこに行くにもカバンの中に忍ばせておけるように、誰かの心にいつもぴったりとくっついて写し出せる、そんな存在になりたいという思いがタイトルに込められているのだと思います。
今回はマイナーな曲を選んでみました。Mr.Childrenの隠れた名曲もぜひ味わってみてください。それではまた。