kimamerのブログ

Mr.Childrenの歌詞について考えるブログです。「気まま」に読んでください。

Mr.Children歌詞考察 vol.7 「GIFT」


GIFT Mr.Children

どうもみなさんこんにちは。前回の投稿から5日が経ちました。

今回は知っている人も多いであろう、「GIFT」という曲について考察してみたいと思います。この曲は2007年のアテネ五輪の応援ソングとしても採用され、人々を勇気づけるような表現が多くあります。

Mr.Childrenは私たちにどんな「GIFT」をくれるのか、さっそく中身を見ていきたいと思います。

 

まずは1番から。

 

「一番きれいな色って何だろう 一番光ってるものって何だろう

 僕は探してた最高のGIFTを 君が喜んだ姿をイメージしながら」

 

早速ほっこりするような言葉が並んでいますね。誰かが一番喜んでくれるGIFTは何なのか。その答えは続きにあるのでしょうか。続きを見ていきます。

 

 

「本当の自分を見つけたいって言うけど 生まれた意味を知りたいって言うけど

 僕の両手がそれを渡すとき ふと謎が解けるといいな

 受け取ってくれるかな

 長い間君に渡したくて 強く握りしめていたから 

 もうグシャグシャになって 色は変わり果て

 お世辞にもきれいとは言えないけど」

 

本当の自分ってなに?といった本質的なことに悩む人に向けて、ずっと渡せずにいて汚れてしまった「GIFT」を渡したい。この部分で私は勝手に、「GIFT」=「思いをしたためた手紙」と解釈してしまいましたが、もしかすると手紙のように目に見えるものではないのかもしれません。「そんなことは誰にもわからないよ」という言葉なのかもしれない。それは、その言葉を発するまでに様々な葛藤や悩みを抱えていたという点できれい(=純粋)ではないと言えるのではないでしょうか。

 

 

では続きです。

 

 

「白か黒で答えろという難題を突き付けられ ぶち当たった壁の前で

 僕らはまた迷っている 迷ってるけど

 白と黒のその間に無限の色が広がってる

 君に似合う色探して 優しい名前をつけたなら

 ほら 一番きれいな色 今君に送るよ」

 

この部分で人々の憂いは一つ解消されたのではないでしょうか。白か黒か、優れているか劣っているか、目に見えるか見えないか、など二項対立的な発想ではなく、その間にあるすべてのものが価値を持っているということを発信しているのだと思います。現代では学歴や家柄、年収などの杓子定規で人々を計り、その人の価値を決定しようという流れ(通例)があると思いますが、そんなものでは根源的な人間の価値は計れないはずです。もちろんそれらの存在が全く無価値だとは思いませんが、それだけに傾倒した考えを持たず、多様性を尊重できる人間になりたいものです。

 

 

2番です。

 

 

「地平線の先にたどり着いても 新しい地平線が広がるだけ

 もうやめにしようか? 自分の胸に聞くと

 まだ歩き続けたい と返事が聞こえたよ

 知らぬ間に増えてった荷物も まだなんとか背負っていけるから

 君の分まで持つよ だからそばにいてよ

 それだけで心は軽くなる」

 

ここはテーマである「GIFT」が、「大切な人」であるというように解釈できると思います。ここでは地平線が終わりのないものとして挙げられていますが、そんな長い旅路を進み続けたいという気持ちにさせてくれるのは、心を軽くしてくれる人の存在だ、というのです。即ち、そんな人の存在こそが自分にとっての「GIFT」であると解釈できます。確かに、普段はありがたみを感じていなくても、大切な人を失った瞬間に何も手につかなくなるというのもありますし、身近な人の存在は非常に大きいのかもしれませんね。

 

 

続きです。

 

 

「果てしない旅路の果てに 選ばれる者とは誰?

 たとえ僕じゃなくたって それでもまた走っていく 走っていくよ

 降り注ぐ日差しがあって だからこそ日陰もあって

 そのすべてが意味を持って 互いを讃えているのなら

 もうどんな場所にいても 光を感じれるよ」

 

ここでも力強く励まされるような言葉があります。日差しと日陰、つまり光と影は互いに背反で対立しているものではなく、片方でも欠けると存在しえない、相互補完的な概念である。言われてみればわかるけれど、なかなか意識できないんですよね。やっぱり結果だけを見て(=白か黒かだけを見て)判断してしまう。勝った人だけが輝いて見える。もちろん勝った人は輝いているんですが、負けた人が輝いていないわけではない。ここでさらに、Mr.Childrenは我々にもう一つのメッセージを突き付けます。それは、光と影が互いを讃え合うのならばどこでも光を感じられる、という部分です。光=勝った人、影=負けた人として話を進めると、影が光を讃えるという構図は割と想定しやすいですが、その逆はなかなかできたものではありません。どうしても、勝った=自分の方が優れている(これも上記でいう「二項対立的な発想」)と思い込んで、相手を本心から(同じ目線に立って)讃えるまでは及ばないのではないでしょうか。世の中は勝つか負けるかだけではない。光と影だけではない。白か黒だけではない。互いが互いを尊重し合うことで初めて白と黒の間の色が出てくる。その色の出現が、多くの人が光や希望を感じられ、輝ける場所を手にするきっかけになるのだろう。そしてそれこそが勝った負けた以上に、人間として生きるために重要な考え方なのだろうと、私は思います。

 

 

最後です。

 

 

「今、君に贈るよ 気に入るかな?受け取ってよ

 君とだから探せたよ 僕の方こそありがとう

 一番きれいな色って何だろう? 一番光ってるものって何だろう?

 僕は抱きしめる 君がくれたGIFTを

 いつまでも胸の奥で ほら光ってんだよ 光り続けんだよ」

 

いつまでも胸の奥で光り続けるGIFTとは何でしょう?それはきっと目に見えるモノではなさそうです。ある大切な人の存在、その人がくれた言葉。それらが胸の中で輝いて、今を生きる原動力にしてくれているのでしょう。しかしそれは何か特別なものでもないと思います。何気ない会話から生まれた言葉が大きく自分を支えてくれることも多いです。「灯台下暗し」ではないですが、大切な「GIFT」も意外と自分の身近にあるものなのかもしれません。

 

以上、「GIFT」の歌詞考察を進めてきました。単なるアスリート応援ソングではなく、哲学的な言葉を含んだ、人生の応援ソングにふさわしい曲だと思います。ブログの最初に曲の動画を載せておくので、ぜひ聴いていただければと思います。

それでは今回はこのへんで。