どうもみなさん、こんにちは。kimamerです。前回の投稿からかなり時間がたってしまいましたが、今回も歌詞の考察をやっていきたいと思います。
第2回目となる今回のテーマとなる曲は、、
「HANABI」です!!
この曲は一昨年に夏に映画化された「コードブルー ードクターヘリ緊急救命ー」シリーズの主題歌でありました。なのでご存じの方もかなり多いのではないでしょうか?
さて、早速ですが曲について話していきたいと思います。
まずはタイトルについてですね。「HANABI」とアルファベット表記されているのは、ここに複数の意味が隠されているからなのだそうです。すなわちここには「花火」という意味と「離日」という意味のふたつが表現されています。この両者の関係は、曲の中でどんな風に描かれているのでしょう?
では、歌詞の考察に入っていきたいと思います。
まずは1番のAメロ。
「どれくらいの値打ちがあるだろう? 僕が今生きてるこの世界に
全てが無意味だって思える ちょっと疲れてんのかなあ
手に入れたものと引き替えにして 切り捨てたいくつもの輝き
いちいち憂いていれるほど 平和な世の中じゃないし」
これは今生きている世界に不満を持っている人の嘆きでしょうか。自分のしている仕事や役割がいったい何のためのものなのか、もしや意味のないことなのか、そう疑問に思うことはあると思います。さらに、安定を持ったサラリーマンはたとえば芸能人のような派手な人生を送りたいと思うかもしれません。でもきっと逆もそうで、羨望の対象にされた人たちは穏便な生活を送りたいと思っているはずです。いわゆる無い物ねだりですね。でも、疲れを言い訳にして考えないようにしようとしているところに、まだ確信が持てていない様子が見て取れますね。
次に、1番Bメロ。
「一体どんな理想を描いたらいい? どんな希望を抱き進んだらいい?
答えようもないその問いかけは 日常に葬られてく
君がいたらなんていうかなあ 『暗い』と茶化して笑うのかなあ
その柔らかな笑顔に触れて 僕の憂鬱が吹き飛んだら良いのに」
やはり現状に満足できず、新たな道を探すも、忙しい毎日の中でまたいつしか考えるのをやめてしまいます。ずっと考え続けられる人が成功をつかむんでしょうね。僕はそうありたいと思ってはいますが、それでもやはりまだまだだと思います。そんなときに思い出す「君」。きっと大切な人なんでしょう。気むずかしく考えるなよ、と一言言ってくれる人がいることはすぐそばにいそうでいてなかなかいないんですよね。
続いて1番サビ。
「決して捕まえることのできない 花火のような光だとしたって
もう一回もう一回 もう一回もう一回 僕はこの手を伸ばしたい
誰も皆悲しみを抱いてる だけど素敵な明日を願っている
臆病風に吹かれて波風が立った世界を どれだけ愛することができるだろう」
この部分はAメロ、Bメロのもやもやした思いを解決にぐっと導く大きなヒントを与えていると思います。それは上記の下線部分です。この世には無意味なこと、無意味な生はありません。必ず誰もが生きるための使命を持って、何かに取り組む、それが我々の日常であるはずです。でも人生はうまくいくことばかりではない。悔しいこと、つらいこと、そういう悲しみを経験して強くなり、今日よりちょっとでもいい明日を作ろうと頑張るのです。こう考えると、人生の応援ソングのようにも見えてきましたね。
続いて2番にいきましょう。ここからは日常について歌った1番とはがらっとテイストが変わります。ここではそれが如実にわかるサビからみていきます。
「さよならが迎えに来ること 最初からわかっていたとしたって
もう一回もう一回 もう一回もう一回 何度でも君に逢いたい
巡り会えたことでこんなに 世界が美しく見えるなんて
想像さえもしていない 単純だって笑うかい? 君に心からありがとうを言うよ」
この歌詞を見る限り、ラブソングに変身してしまったようですね。それも、どうやら別れてしまった後のようです。この部分では、大切な人への愛情をただストレートに伝えているように見えますが、どうやらそれに至るまでには葛藤があったようです。
それがわかるのが、2番のAメロとBメロ。
「考えすぎで言葉に詰まる 自分の不器用さが嫌い
でも妙に器用に立ち振る舞う 自分はそれ以上に嫌い
笑っていても 泣いて過ごしても 平等に時は流れる
未来が僕らを呼んでる その声は今君にも届いていますか」
この部分について、この曲が医療関係にドラマの主題歌であったことも考えると、愛する人の死による別れの描写ではないかと考えます。すなわち、相手が生きているとき、一緒にいられる時間が有限であることはわかっていながらも、思っていることを素直にいえなかったり、妙に平気なふりをしてみたり。時には相手とすれ違うこともあったり。「未来からの声=死がやってくるという知らせ」は自分には聞こえているからこそ、君にも聞こえているなら互いに素直になってもっと時間を有意義に使いたいなあという気持ちが反映されているのではないでしょうか。しかし、やがて別れはやってくる。終わってから、実際に起こってから気づくことというのは普段の生活においても多々ありますが、サビでは愛する人を失った後に気づいた自分の本心が、自らの悔恨の念を表現しつつ、描かれていると思います。
続いてCメロ。
「滞らないように 揺れて流れて
透き通ってく水のような 心であれたら」
この部分は、桜井さんが飼っていた金魚の水槽の中の水が循環している様子を見て思いついたそうですが、まさにそれと同じように、悲しみ、苦しみを誰もが抱える日々の中で、楽しみを見つけてまた新たな気持ちでスタートできる、そんな習慣があれば人生はもっと豊かになるのになあと思います。
そしてラスサビ。
「逢いたくなったときのぶんまで 寂しくなったときのぶんまで
もう一回もう一回 もう一回もう一回 君を強く焼き付けたい
誰も皆問題を抱えている だけど素敵な明日を願っている
臆病風に吹かれて波風が立った世界を どれだけ愛することができるだろう
もう一回もう一回 もう一回もう一回」
という風に、1番と2番のサビをくっつけたような感じでこの曲は締められています。
最後に、この曲のタイトル「HANABI」について「花火」と「離日」のふたつの意味が内包されていると冒頭で述べましたが、両者にどんな関わりがあったでしょうか。
1番では、今の自分と離れる日(=決別する日)は今すぐにでも作り出せる、というメッセージが隠れていると思います。その、今すぐに、ということを花火が爆発する一瞬になぞらえて、それぐらいの爆発力を持てば不満な今と決別できるぞ、という内容ではないかと考えています。
2番では、愛する人と離れる日は案外すぐに来てしまうものであり、そのはかなさを花火が散りゆく様子になぞらえたのではないでしょうか。今は当たり前のように話している人でも、極端な話、明日、今と同じように話せるとは限らない。今一緒にいられる時間を大事にしなさい、という内容ではないかと考えています。
以上、今回は「HANABI」の考察を行ってきました。非常に奥深い歌詞でしたね。
では今回はこの辺で。また次回もご期待ください。
長文読んでいただきありがとうございました。